なぜ今、「正義」を語るのか。

それは、道徳や倫理といった曖昧なお題目を唱えるためではない。高度にシステム化され、効率と最適化がすべてを覆い尽くそうとする現代において、「何が正しいか」という定義そのものが、私たちの命運を分ける最も強力な「アーキテクチャ(設計思想)」として作動しているからだ。

アルゴリズムが人間の価値を数値化し、社会のルールを自動的に決定していく時代。その根底に流れる「正義のソースコード」を疑わなければ、私たちは永遠に誰かが記述したシステムの中で、与えられた規約(Terms of Service)に従属し続けることになる。

能力主義、テクノロジー至上主義、過度な最適化……。私たちが無自覚に依存し、絶対的に正しいと信じ込まされている「収奪のOS」には、どのようなバグが潜んでいるのか。そして、特定の勝者だけでなく、システムに属するすべての存在の尊厳を保つためには、どのような新しいルールを実装すべきか。

本シリーズは、古いOSを解体したあとの更地に、自律した生態系(ビバリウム)を構築するための、極めて冷徹で実践的な「仕様書の要件定義」プロセスである。

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